
9月30日から10月26日まで、東京都北区にある青猫書房で、死刑囚・作家永山則夫の遺品が展示されている。
永山氏は19歳の時、4人を殺め逮捕された。逮捕後は拘置所での独学による反省を経て、手記や小説などの出版を通じ、罪を犯した者としての責任を果たそうと努めたが、1997年に死刑執行された。
「少年連続殺人犯」としてセンセーショナルに報道された1969年の逮捕当時から現在に至るまで、永山氏をめぐっては、数多くのイメージが世の中へ流布されてきた。その中には、特定の意図や演出によって作り上げられた歪んだ人物像も少なくない。
では一体、永山氏とはどういう人物だったのか? 残された遺品からテレビや新聞が伝えない真の姿を探る。
主催者の市原みちえさんは、展示会の意図をつぎのように語っています。
「永山さんとの最後の面会者として遺品を預かっていた関係で、遺品を整理しながら、展示会を始めることにしました。毎回テーマを決めて展示しています。昨年は再審でした。
以前は展示会を自宅でしていたのですが、2016年から青猫書房の社長さんのご厚意で、ここでするようになりました。今年で11回目になります。
今回は、永山さんを知らない人にも、見ていただいて永山さんの本当の姿を知っていただきたいと思います。
お姉さんが永山さんに贈った靴下、お姉さんへの手紙、獄中で着ていたTシャツ、使っていたハンガーなどを展示しています。是非ご覧ください」。
筆者は永山氏の「木橋」を読んだが、淡々とした筆致から主人公N少年(永山氏)の不遇な少年時代に同情するとともに、その繊細な感受性に胸を打たれた。もしも彼が生きていれば現在77歳。どのようなことを考え、どのような作品を書いただろうかと、展示を見ながら思いを馳せた。
◯テーマ:「永山則夫の虚像/実像」(永山則夫が残したもの)
◯日時:2026年9月30日(水)~10月26日(月) 11時~18時 日曜17時まで
◯入場費:無料
◯会場:青猫書房(東京都北区、JR赤羽駅北改札東口から徒歩約10分)火曜日定休日
◯展示物:つぎのほか永山氏の遺品などがある。
・『無知の涙』……永山則夫が獄中で綴ったノート。当時の永山氏の精神的なドキュメント。1971年合同出版より単行本が発売されたのち、73年には角川文庫に、90年からは河出文庫にて増補新版が発売。
・『木橋』……1984年に立風書房より発売された第一作品集。表題作の「木橋」は新日本文学賞を受賞。永山氏の幼年時代をモチーフに、新聞配達をしている主人公N少年の使う「木橋」が洪水で渡れなくなった一日の物語。
・『華』……死刑執行によって未完となった大長編。永山氏の死後、1997年に河出書房から全四巻というボリュームで発売。
また、10月18日(日)には、「プリズンアカデミーカフェin青猫書房・2026年 第3回~死刑と司法を考える~」がある。
◯テーマ:「刑務所の中にも選挙権はあります!」
◯日時:2026年10月18日(日)13時〜16時
◯トークゲスト:八木橋健太郎(元受刑者。受刑者選挙権訴訟の原告)
八木橋氏は、受刑者にも憲法上保障された選挙権が認められるべきであると主張し、現在、最高裁判所の大法廷で係争中の訴訟に取り組んでいる。また、刑事施設における処遇を巡る国家賠償請求訴訟では、弁護士に依頼せず本人訴訟でひげ剃りの強制等の違法性を争い、一部勝訴判決を得た。受刑者であっても法の支配と基本的人権は尊重されるべきであるとの考えから法律を独学で学び、現在も本人訴訟による活動を続けている。
◯参加費::1,000円(ユース25歳まで/生活困窮の方、半額割)
◯申込み方法:電話 090-9333-8807(市原)
◯主催・問合せ:いのちのギャラリー(090-9333-8807)
(2026年10月01日公開)