『オアシス・インタビュー』第9回福島至氏に聞く

【後編】神戸連続児童殺害事件の記録の廃棄問題 問われる裁判記録保存のあり方


「森友・加計問題で記録の破棄など公文書保管に関して大きな問題になりました。この問題と今回の少年事件記録廃棄の問題は、根本で共通しています」と話す福島至・龍谷大学名誉教授(2022年11月5日、龍谷大学にて)

4 裁判記録の閲覧・謄写はできるのか

—— 保存された記録の閲覧や謄写は、誰でもできるのでしょうか。

福島 民事訴訟法91条1項、刑事訴訟法53条1項があって、基本は民事も刑事も閲覧できるようになっています。ただ、少年事件の場合は裁判官の許可を得ない限り閲覧できないので、事実上公開されません。

—— 福島先生は、以前から、刑事訴訟確定記録法での閲覧に関する例外規定の多さや、刑事の裁判記録閲覧に関してはかなり厳しい検察庁の運用によって、学術研究資料としての利用が著しく妨げられていると、これまで指摘していますね。

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(2022年12月21日公開)


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