法制審が再審法改正案を答申/「再審法改正をめざす市民の会」が反対声明を公表、再審を困難にし、無実の人を絶望に突き放す 


法制審議会の佐伯仁志会長(右)から刑事訴訟法の改正要綱などの答申を受け取る平口洋法相。(2026年2月12日、法務省にて。写真提供:共同通信社)

 2月12日、法制審議会は総会を開き、法制審議会─刑事法(再審関係)部会が議論を重ねてきた「諮問第129号に対する答申案」を議決し、平口洋法務大臣に答申した。法務省は、2月18日の特別国会でこれらを提出する予定である。

 再審法の改正が実現すれば、現行の刑事訴訟法が制定された1948年以降初めてとなる。しかしその内容は、検察官抗告を禁止せず、証拠開示の範囲を狭め、スクリーニング(「再審の請求についての調査手続」)規定や証拠の目的外使用禁止規定を盛り込むなど、「改悪」と言わざるをえないものとなっている。

 答申を受けて、2月13日、再審法改正をめざす市民の会は、断固反対するという声明を公表した。声明は、今回の答申が「再審を困難にし、無実の人を絶望に突き放す」ものだと厳しく批判している。

 声明は、袴田事件や福井女子中学生殺人事件、また大崎事件などで再審開始までに何十年もの年月を要していることを例に挙げ、こうした立法事実に答申は目をふさいでいると批判した。

 特に問題視しているのは、証拠開示の在り方である。裁判所が請求もしくは職権で証拠開示を命じることができるとする一方で、証拠開示の範囲を狭めるものであり、検察官による無罪方向の証拠の隠匿、改ざん、捏造を正当化しかねないと懸念する。

 また、検察官抗告を禁止する規定を設けなかった点に対して、「再審が誤判救済の制度であるという理念を根本から損なうもので、あまりにアンフェアである」と批判した。

 さらに、答申が新たに導入を提案したスクリーニング規定についても、事実調べを行わない段階で請求を棄却できる仕組みだとして、「再審を求める人たちや弁護人の困難を幾倍にもするもの」だと危惧する。

 一方で、再審法改正をめざす市民の会は、2024年3月に発足した超党派の「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」の動きを支持する。同議員連盟は、昨年6月に衆議院に再審法改正案(第217回国会衆法第61号)を提出したが、今回の衆議院解散によって廃案となった。選挙を経て、新たな議員連盟によって再審法改正案が再提出されることが期待される。法制審答申に基づく法改正に対して「全力をあげて反対する」とした上で、議員立法による再審法改正を求めている。

(2026年02月13日公開)


こちらの記事もおすすめ