こんにちは! 株式会社齋藤鑑識証明研究所代表の齋藤健吾です。
今回も「指紋鑑定」のディープな世界を、できるだけわかりやすく、そして楽しく、皆さんにお伝えしたいと思います。
さて、今回のテーマは「指紋がいつ付いたかがわかるのか?」です。結論から言うと、死亡推定時刻のように、指紋が今から何時間前に、もしくは何日前に付いたかを特定することはできません。
しかし、まったく予想できないわけではありません。指紋の向きや圧力、接触した場所、指の種類から、どのような行為で指紋が付いたのかを推測することができます。
では、詳しく解説していきます。
1 指紋の色が薄いか濃いか指紋がいつ付着したかを推定する際に、単純に「指紋の色合いだけで判断できるのでは?」と聞かれることがあります。一般的に、色が濃いと新しい指紋、色が薄いと古い指紋と考えられがちですが、実際にはこのような推定は正確ではありません。
まず、指紋の濃淡は、手の汗である指紋分泌物の量で決まります。指紋分泌物が多いと色が濃くなり、少ないと薄くなります。また、指紋分泌物はモノに付着すると乾燥して減少するため、時間が経つと色が薄くなります。
なぜ、色合いから付着時期の推定ができないかを説明するために、以下のように条件を設定します。
【設定条件】
・指紋の濃さレベル1~10
・濃さは5日間で1レベル下がる
〇A指紋
付着時の濃さレベル9
15日が経過して現在の濃さレベル6
〇B指紋
……
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(2025年05月28日公開)