『オアシス・インタビュー』第3回齋藤保氏に聞く

〈自敬の念〉の欠落が誤鑑定を生む

指紋鑑定にも第三者機関を


齋藤保(指紋鑑定士)
2019年4月5日、栃木県宇都宮市の齋藤鑑識証明研究所にて。

日本初の民間指紋鑑定

——齋藤さんは、これまで数々の冤罪事件で無罪に結びつく指紋鑑定をしてきました。それも民間で指紋鑑定の仕事を本格的にされています。どういうきっかけではじめたのでしょうか。

齋藤 1965(昭和40 )年に、たまたま栃木県警に事務職員として就職し、そこで29年間指紋鑑識の仕事をしてきました。そこで、約7000件の指紋鑑識にたずさわりました。このような経過の中で、指紋鑑定の魅力に目覚め、仕事をしながら頭の隅では民間活用ができないものか、と考えるようになりました。一念発起し、指紋鑑定は、警察で十分な働きをしているので、民間でもきっと役に立つはずだと、1996年(平成8) 年4月に50歳で中途退職し、2年後に「齋藤指紋鑑定事務所」として開業しました。そして11年後に現在の会社に組織変更し、息子の健吾とふたりで運営しています。

——東……

(2019年07月17日公開)


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