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依頼人とのコミュニケーションを円滑にするための刑事弁護必修用語集
刑訴法にある用語ではないのに、裁判官や研究者までがよく使う言葉。正しくは「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」(刑訴法81条、89条など)である。「オソレ」では一般的抽象的な心配を意味してしまいがちで、この語感に影響されてか、実務上も知らず知らずのうちに裁判官の主観で運用されてしまうことがあるので、要注意。少し長いが、「疑うに足りる相当な理由」(略して「相当理由」)と言うべき。
法的根拠なく「罪状認否」という用語がよく使われている。マスコミ用語としてはともかく、一部裁判官、研究者までが使う。起訴状の朗読後、裁判長は被告人及び弁護人に対し、「被告事件について陳述する機会」を与えなければならない(刑訴法291条3項)。これは、被告事件について陳述する権利を定めたものである。「罪状」といった用語は死語とするべき。
客観的に裏付けできる証拠。「ちょっと支えが弱いなぁ」と刑事が呟く。「足(あし)」ということがある。
ヤクザ関係の情報。刑事は、担当する被疑者の資料を必ず読む。これを活用し、「義理と人情に厚い男らしいな。一目見てわかる。内緒の話やけど、「G資料」にそう書いてある」と巧妙に被疑者を懐柔しながら手の内に入れる。
刑事が被疑者を脅す言葉。「引き当たりの名目で、手錠はめて引き回し、世間の見せ物にしてまうぞ」。
取調べに抵抗して食事を拒否して頑張ること。「ハンスト(ハンガーストライキ)」のことである。「シャリ抜きで頑張りますから執行停止を頼みます」と安易な考えでシャリ抜きをする者もいる。【語源】舎利は仏陀の遺骨のことであるが、米粒を表すようになった。「シャリ抜きのジギリで出てきました」。
実刑判決により、被告人を刑事施設に収容すること。「監獄」という言葉は法律上はなくなっているが、「監」という用語がいまも使われている。「はよ出頭して収監してもらえ。そうせんと保釈金が返ってこんわ」。
勾留質問もしくは、「検調」のため、警察本部からのバスが各警察署の留置施設を回って、何人もの被疑者を乗せて連行する。「集中」ではないときは、「個別」。
被告人の在廷は「出頭」といわれるが、弁護人も「立会い」ではなく「出頭」となっている(刑訴法289条2項)。裁判官と書記官は「列席」で(刑訴法282号)、弁護人と対等な当事者であるはずの検察官は「出席」(同条)となる。公判調書(手続部分)の記載では、このような用語が用いられている。これとは別に、逮捕状、収監状が出ている人物が、警察署などに自ら行くこと一般をいうことも多い。
捜査段階の裁判官や検察官の処分に対する異議申立て。このことをよく知っている被疑者・被告人もいる。公判段階になっても、異議申立ての趣旨で「先生、すぐ準抗告してください」という被告人がいるので説明が必要。