刑事弁護の情報と知が集まるポータルサイト

『オアシス・インタビュー』第4回

【後編】地域との共生を目指す官民協働運営の刑務所

美祢社会復帰促進センターの取組み


1234

9 監獄史料館オープンの準備

—— 一般の人たちに刑務所を理解して欲しいということで、奈良少年刑務所(旧奈良監獄)の跡地に、大手ホテル宿泊業者の星野リゾートに協力してもらって、監獄史料館を建てる計画がありますが、具体的にはどんな計画をもっていますか。

手塚 星野リゾートは、現存する赤レンガの建物の一部をホテルに改装し、その敷地の一画に、赤レンガの一部を利用して監獄史料館を造ります。今、各施設から史料を集めている段階です。この監獄史料館は、全国の施設に保存してある史料を一か所にまとめ一般市民の方々に見ていただき、矯正の理解と協力をお願いするために設置したいと思っています。各施設でも所内に資料室として展示しているところもありますが、一般市民の目に入らない形での展示でしたし、それすらも行っていない施設も数多くありました。

 日本で初めての公設の監獄史料館と言えます。その運営は民間委託していますが、建物及び史料は国の所有です。

 また、この史料館は建物全体が史料館ということになります。現存している赤れんがの建物では監獄の機能をそのまま保存しています。

—— そういう監獄史料館では、有名な博物館網走監獄が北海道の網走にありますが、そことどう違うのでしょうか。

手塚 博物館網走監獄及び月形監獄博物館は民間所有の建物及び展示品です。中には貴重なものもあり、よく集められたと思います。また、両博物館は北海道の集治監時代の歴史と北海道開拓が主なテーマでありますが、監獄史料館は日本の監獄の歴史と刑罰の変遷を主なテーマとしています。

 2019年11月には、プレオープンの企画をしました。場所の問題等があり、明治期のものしか展示できませんでしたが、大きな流れとして、①明治以前の刑罰、②明治初期の刑罰、③「中央監獄」構想、④集治監行刑、⑤不平等条約の改正、⑥監獄法の制定、⑦監獄内の生活の変遷、⑧歴史的事件等、⑨新たな刑事施設での取組みを展示する予定です。

 各施設では、どんどん歴史的史料が廃棄されているものですから、せっかくこういう史料館が造れるので、できる限り多くの史料を全国から集め、2021年のオープンを目指して、今、一所懸命、その準備を進めているところです。

—— どうもありがとうございました。

(2020年06月01日公開) 

1234
用語解説

こちらの記事もおすすめ