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【第2回】被疑者から家族や知人に連絡してほしいとお願いされました。連絡しても良いでしょうか?


【解説①】一般論として、外部との連絡に応じることには問題はありません。

 身体を拘束されている被疑者・被告人は、外部の者との連絡が困難になります。外部の者との連絡をとることは、弁護人であれば、必ずといっても良いほど被疑者・被告人から依頼される事柄です。被疑者・被告人のこのような依頼に応じることは、弁護人が被疑者・被告人との信頼関係を構築する上でも避けられないところですので、必要性の認められる範囲で依頼に応じると良いでしょう。

 外部と連絡を取る場合には、守秘義務違反とならないよう、話して良い範囲を本人と合意しておきましょう。

 

【解説②】連絡する「内容」に注意しましょう。

 証拠隠滅や共犯者の逃亡などに利用される可能性がありますので、連絡する目的と伝えるメッセージの「内容」には注意しましょう。注意しなければならないのは、被疑者・被告人が弁護人を通じて家族や知人に証拠隠滅や関係者の逃亡を指示する等の可能性がある点です。特に接見禁止等が付されている被疑者・被告人の場合は、接見禁止の制度趣旨に配慮しつつ慎重な対応が求められます。

 

【解説③】その「程度」にも注意しましょう。

 連絡が頻回に及べば、弁護活動の支障になる可能性もありますので、その「程度」にも注意しましょう。

 まずは、連絡の相手との関係性や相手方の属性、連絡の目的を聞いて下さい。その上で、伝達するメッセージの内容とその意味するところ(何らかの指示が暗示されていないか等)を検討し、伝えて問題ないと判断した場合のみ伝達するのが良いでしょう。

 その伝言をすることが明らかに問題があるとまでは言えないものの、何らかの証拠隠滅等の危険性を払拭できないと思われる微妙な場合もあります。ビギナーであれば、そのような場合には関与すべきでないでしょう。

 問題はこの場合にどのように対応するかですが、基本的には「弁護活動に必要がない」等の説明をして断るのが無難です。正面から、「疑わしい以上は弁護人としては関与したくない」という話をしても良いかもしれません。被疑者・被告人との信頼関係にも影響するので非常に難しい問題ですが、安易に本人の要望に引きずられることなく、慎重に対応して下さい。

 弁護人は、被疑者・被告人のメッセンジャーではありません。伝言の回数が頻回に及べば、その負担から弁護活動に支障が生じ、本末転倒の事態も生じうるところです。被疑者・被告人の中には、弁護人をメッセンジャーのように利用しようとする人がいます。このような場合、メッセンジャーのように利用されることがないように注意しなければなりません。負担が大きくなるようであれば、本人に手紙を書かせたり、本人の友人に頼むように促す等を検討して下さい。


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