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村木厚子氏(元厚生労働事務次官)

『オアシスインタビュー』第1回

【後編】罪を犯した人と私たちはどのように共生できるのか

自分の体験から考えたこと

インタビュアー:菅原直美(弁護士) 2018年8月9日 現代人文社会議室


——この社会で、誰かに自分がありがとうと言うこともあるし、誰かにありがとうと言われることもあるし、どっちの立場になっても生きていける確信をもてるということがポイントでしょうか。

村木 私も児童自立支援施設に行って思いましたが、ほんとうに厳しい状況にいるが生きて何とか立ち直ろうとしている、それだけでありがとうって言いたくなるんです。

「お互いさま」という、日本にいい言葉がありますが、社会でお互いに支え支えられるということが大切です。そう思っている中で、東京大学の熊谷晋一郎さんが講演の中で言っていた言葉がたいへん気に入りました。「自立って、依存しないことではなくって、たくさんのものに少しずつ依存できることだ」と、彼は解説してくれました。

薬物依存というのは、ほかに頼れるものが何もないから、薬物だけに全部依存する逆に、薬物依存の人が依存できるものがたくさん自分の周りにできたら、薬物に頼らなくて済む。誰でもが、自分は支える側だと思っている人も本当はたくさんのものに少しずつ依存して支えられていると思んです。何か、そこには「みんなおんなじじゃん」と言える感じがあります。つまり、支え支えられるというのが共生社会のイメージだと思います。

——今日はありがとうございました。(了)

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