冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第20回

冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第20回

法制審議会─刑事法(再審関係)部会のリアル⑬

第8回会議(10月14日)[その1]

鴨志田祐美 日弁連再審法改正推進室長


1 第8回会議の概要

 法制審議会—刑事法(再審関係)部会第8回会議は、10月14日(火)午前9時半から11時40分まで開催された。検討された論点は、論点整理案の「9 再審請求又は再審開始決定があった場合の刑の執行停止」の⑴及び⑵の2項目、「11 再審請求審または再審公判における被害者参加」の⑴及び⑵の2項目、「12 再審請求において取り調べられた証拠の再審公判における取扱い」、「13 再審請求手続に関する費用補償制度」、そして「14 その他(再審請求に関する事項を被害者等通知制度の対象とするか)」の合計7項目である。

 検討の順序は、論点9の2項目をまとめて検討し、次いで犯罪被害者に関連する論点11の2項目と論点14を併せて検討した後、論点12と論点13をそれぞれ個別に検討した。

 今回で、論点整理案の14項目(小項目も含めてカウントすると33項目)の一巡目の議論が終わったため、論点の検討が終了した後に、部会長から今後の進め方についての説明があり、これをめぐっても議論が交わされた。

 なお、裁判官の江口委員、法務省特別顧問の井上関係官は欠席、酒巻委員はオンライン出席で途中退出だった。

2 部会資料

 今回は事務当局からの資料はなく、日弁連推薦で犯罪被害者を支援する立場の山本剛弁護士から、論点11及び14に関する資料として、通常審段階で犯罪被害者のために現行刑訴法上認められている諸手続、及び被害者通知制度についてまとめた「再審事件における犯罪被害者の制度」と題する書面が提出された。

3 論点ごとの検討

……

(2025年10月29日公開)


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