漫画家・浅見理都が刑事弁護人に聞くザイヤのオオカミ

第6回 金杉美和弁護士に聞く(1)

常に依頼者のために

一人の人間としてガチでぶつかる


 航空部での活動に明け暮れた大学時代

 『情状弁護アドバンス』(現代人文社)のインタビュー記事「オンリーワンの弁護活動を誇りに」に「もともとはパイロットになりたかった」とありましたが、それには何かきっかけがあったんですか。

 子どもの頃から空を飛んでみたかったんです。刑事弁護をやっている人は、小さい頃にアメリカの弁護士のドラマや映画を見て、刑事弁護人に憧れてという人が割と多いですが、私にはそういうのが全くありません。

 刑事弁護に対する感慨は全くなかったんですね。

 空を飛びたいということを夢想している子どもだったので、それは「魔法使いになりたい」みたいな感じです。だから、大学は文学部でしたが、体育会の航空部のチラシを見て、「あっ、空を飛べるんだ」と入部し、その活動にのめり込んだのが始まりです。

 私は全然知らないんですけど、そういう部活に入って、いきなり操縦桿を握らせてもらえるわけじゃありませんよね? ますは免許を取ることから始めるのでしょうか。

 座学はありますが、いきなり握らしてもらえるんですよ。

 えっ? そうなんですか。

 その辺で飛ぶことができないので、合宿に行って飛びます。私たちは大体、岐阜県の木曽川の河川敷か、関東だったら利根川の河川敷で飛ぶことが多かったです。埼玉・熊谷市の妻沼とか、千葉・野田市の関宿に滑空場があって、皆、そこに行って飛びます。

 最初は2人乗りの飛行機です。後ろに同じ操縦桿が付いていて、後席の教官が操縦すると、前の座席の操縦桿も連動して動きます。なので、1回目は「とりあえず、膝に手を置いて固まっとけ」みたいなことで、遊覧飛行みたいな感じだったと思います。

 2回目では、上空に行ったあと、「直線」と言って、操縦桿を持たせてもらいます。危なかったら後ろですぐに手が出せるので、真っすぐ飛ぶことから始まり、ちょっと旋回してみたりとか、いきなりです。

 すごいですね。でも、聞いたら楽しそうだなと思いました。

 楽しいですよ。私が大学時代に乗っていたのはグライダーで、動力がありません。動力があるものはモーターグライダーというのですが、私がやっていた動力のない、純粋な滑空機をピュアグライダーといいます。それぞれ免許が違うんですよ。

 ちなみに、グライダーの機体はバラして(分解して)、トラックで運びます。なので、大学時代はトラックを運転して、大阪から埼玉の妻沼まで行ってました。

 えーっ、すごい!

 私は大学の4年間、ピュアグライダーをやり、さらに留年して、空の飛び方を人に教える資格「操縦教育証明(国家資格)」を取りました。

 その資格をとるときに、運輸省航空局、今の国土交通省航空局の試験官がやってきて試験をしてくれたのですが、その試験官からエアラインのパイロットはどうかと勧めてもらいました。だから、その人の推薦でJALとかANAの試験を受けました。

 そういうルートがあるんですね。知りませんでした。金杉先生は、子どもの頃から体を動かすのが好きだったんですか。

(2022年07月25日公開) 

インタビュイープロフィール
金杉美和

(かなすぎ・みわ)


2004年弁護士登録(京都弁護士会、57期)。京都法律事務所所属。大学時代は体育会航空部の活動に明け暮れた。2児の母。日弁連刑事弁護センター 委員、同法廷技術小委員会委員長(2018年)、京都弁護士会刑事委員会副委員長など、委員会活動にも精力的。東京法廷技術アカデミー(TATA)の講師を務める。2022年4月より京都弁護士会副会長。著書に『まだ気づいていないあなたと語る セキララ憲法』(新日本出版社、2015年)がある。

インタビュアープロフィール
浅見理都

(あさみ・りと)


漫画家。1990年、埼玉県生まれ。『第三日曜日』で第33回MANGA OPEN東村アキコ賞を受賞。『イチケイのカラス』は自身初の連載(モーニングで連載、2018年24号〜2019年14号)。現在は『クジャクのダンス、誰が見た?』「Kiss」(講談社)で連載中(2022年9月号〜)。


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