執筆者:村岡美奈 監修者:藤田正隆

【第2回】勾留理由開示公判って、私でもできるかな?


普段は各地の法律事務所で刑事弁護活動にまい進する弁護士らが、全国の被疑者、被疑者家族、新人弁護士らなどの、SOSにこたえて、いまさら恥ずかしくて聞けない素朴な刑事弁護の質問に答えていきます。

●うちに帰りたい

被疑者「わたしベトナム人のドーンといいます。私選弁護人を頼むお金の余裕はないのですけど、なんでも質問に答えてくれる弁護士がいると聞いたので、連絡しました。わたし、早くうちに帰りたいので、どんな方法があるか、教えてください」

弁護人「ドーンさん、はじめまして。ご家族は」

被疑者「奥さんが日本人で、一緒にベトナム料理店をやっています。子どもは1人、小学3年生。奥さんは経営で、私が料理だから、私がいないと料理が出せないよ」

弁護人「それは困ったね。逮捕されたのは、どういった事実ですか」

被疑者「ベトナムから日本に来た友人に、国にお金を送るのに必要だというので、銀行通帳を貸しました。それで詐欺と言われています。私は誰もだましてないのに」

弁護人「なるほど、わかりました。いまは、ドーンさんは逮捕された事実を認めていないのですね」

被疑者「そうです」

弁護人「事実を認めない場合には、認めるまで、うちに帰らせてもらえないことがありますよ」

被疑者「だって本当にだましてないから」

弁護人「ところで、ドーンさんは、いま逮捕されて何日目かな」

(2019年02月22日公開)


こちらの記事もおすすめ