困ったときの鑑定──裁判からトラブル解決まで<br>第18回

困ったときの鑑定──裁判からトラブル解決まで
第18回

指紋鑑定はどこから始まるのか

事件発生から警察本部への送付まで

齋藤健吾 株式会社齋藤鑑識証明研究所代表


1 はじめに

 刑事事件において、検察官から証拠資料として「指紋鑑定書」が提出されることがあります。指紋鑑定はその高い専門性がゆえに、鑑定書が作成されるまでの警察側のフローと知識を有していなければ、容易に反論することができません。

 実際、「指紋鑑定書」が作成されるまでには、事件発生から所轄警察署、警察本部鑑識課、警察庁にわたって複数の判断過程が存在しています。

 今回から3回にわたって、刑事実務において指紋鑑定がどのように始まり、どのように行われるのかを解説します。今回は、まず入口部分を実務に即してお伝えします。

2 指掌紋鑑定は「事件現場」から始まる

 この連載では、事件発生から指紋合致までの流れを図1「事件発生から指紋合致までの流れ」に示したフロー図にしたがって説明します。

図1 事件発生から指紋合致までの流れ

 警察による指掌紋鑑定は、事件発生直後の現場における指掌紋の検出・採取から始まります。

 ①事件が発生すると、通報を受けた警察官が現場に臨場し、被害状況の確認と犯人特定に向……

(2026年04月30日公開)


こちらの記事もおすすめ