〈再審法改正案可決・成立〉「再審法改正をめざす市民の会」は、「山は動いた。動かし続けよう」と声明


再審法改正をめざす市民の会結成7周年記念集会の最後に、登壇者全員で、「変えよう再審法」「ノーモア!えん罪」のプラカードを掲げた(2026年5月20日、東京・文京区民センターにて。写真撮影:刑事弁護オアシス編集部)

 再審法改正をめざす市民の会は7月17日、再審に関する改正刑事訴訟法が参議院本会議で可決・成立したことから、「再審法(刑事訴訟法)改正の成立にあたって 山は動いた。動かし続けよう」との声明を公表した。

 市民の会は、2019年の結成以来、次の3点を強く求めてきた。①再審開始決定に対する検察官の不服申立ての禁止、②検察官による再審のための証拠の全面開示、③再審請求審のルールの明文化。

 声明は冒頭で、「冤罪が起きたとき、人は『やり直し裁判(再審)』という唯一の光にすがるしかない。この再審の扉を半世紀以上にわたって実質的に閉ざし続けてきた制度が、ようやくこじ開けられ始めた」と、改正内容は会の目標に到達していないものの、1歩前進したとしている。

 特に、再審開始決定に対する検察官抗告に関して、その「原則禁止」が改正法の本則に明記されたことについては、「相次ぐ冤罪事件の無罪判決を前にしてもまったく反省せず、ひたすらに権限温存と組織防衛を図る法務省と検察庁に対する、国民の強い批判を受けたもので」あり、「袴田巖さんをはじめ長年の苦難を強いられてきた冤罪当事者の訴えが立法を動かした、歴史的な事実として記録されるべきだ」と高く評価している。

 しかし、証拠開示など残された課題については、つぎのように厳しい目を向けている。

 第1に、検察官は「十分な根拠がある場合は抗告できる」という例外規定は、「新たな抜け道」であるとして、検察官による恣意的な抗告を温存する口実にならないよう、「厳格の上にも厳格な運用」が求められるとしている。

 第2に、検察官による証拠開示の範囲については、「再審請求の理由と関連する証拠」に限定されたままで、再審請求人が真に必要な証拠に確実にアクセスできる制度設計とは、ほど遠いものであるとしている。また、証拠のリスト開示や保管・管理については今後の課題として残されたとしている。

 第3に、開示証拠の目的外使用禁止規定については、「袴田事件」で開示されたカラー写真・ネガフィルムが支援運動や再審無罪の原動力となったような市民の関与を封じるおそれが大きいとしている。運用面において、「厳格な歯止め」を求めている。

 今回の法改正では、検察官による証拠開示をはじめ多くの課題が運用に委ねられている面が強い。声明は、付則に明記された「5年ごとの見直し」は、5年間待つのではなく、この見直し条項が形骸化することなく、実質的な改革につながるよう、制度運用のすべての局面を監視していく必要を訴える。

 「再審法改正は、特定の人のみに関わる問題ではない。冤罪はいつ、誰の身にも降りかかりうる。無実を訴えながら、いまだに再審請求の端緒すらつかみあぐねている方々も少なくない。私たちは、こうした方々の救済をけっして諦めることなく、正義の回復を可能にする制度を社会の共有財産として守り育てるために、市民・当事者・弁護士・研究者・立法府とともに歩み続けることを」表明し、「動いた山は、動かし続けなければならない」と結んでいる。

 日本国民救援会も7月22日、「再審法改悪法案の強行採決に抗議する」声明を発している。

 これより先、日本弁護士連合会は7月17日、「刑事訴訟法の一部を改正する法律の成立に当たって」と題する会長声明を出している。

(2026年07月27日公開)


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