現場で採取された指紋のすべてが鑑定に回るわけではありません。実は警察本部の段階で、多くの指掌紋が「照合不能」あるいは「協力者ないし臨場者のもの」として消えていきます。指紋鑑定書に現れる指掌紋は、いくつもの照合作業を経て、ようやく残ったものです。今回は、その詳細をたどります。

冒頭に掲載した図1で、⑤警察署から現場指掌紋が送付されると、それを受け取るのが警察本部鑑識課になります。ここでまず行われるのが、⑥指掌紋鑑定に使えるか否かの選別です。事件現場で採取された時点では、指掌紋は玉石混交の状態にあります。汚れたもの、欠けたもの、かすれたものも当然含まれています。
警察では、特徴点合致法という鑑定方法を用いており、原則として12点以上の特徴点((指掌紋線に変化が生じている箇所を指します。例えば、流れている線が接合、分岐したり、線が始まったり、止まったりする箇所のことです。))が確保できない指掌紋は“照合不能”とされます。この判断が下された瞬間、その指掌紋は鑑……
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(2026年05月07日公開)
