冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第18回

冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第18回

法制審議会─刑事法(再審関係)部会のリアル⑪

第6回会議(9月5日)

鴨志田祐美 日弁連再審法改正推進室長


1 はじめに

 本連載は、「議事録の公表までにタイムラグがある法制審議会-刑事法(再審関係)部会での議論の内容をリアルタイムでお伝えする」ことを目的として開始した。しかし、多くの研究者・法曹に正確な情報を伝えようとするあまり、例えばスマホでスクロールしながら読むにはあまりにも膨大な内容となってしまっていた。特に前回の第5回会議は、審議時間が3時間半に及んだことで連載回数が5回に及び、また、その後筆者が体調を崩したこともあり、記事のアップが議事録公開後となってしまった。

 そこで今回から、記事の形式を改め、記事本文では会議の概要、議論のポイント、筆者の受け止めをダイジェストで伝えるとともに、各委員・幹事等の発言の詳細は必要に応じて別途PDF資料を作成し、リンクを張ることにした。

 読者諸氏にご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、引き続き、本連載をお読みいただけると幸いである。

2 第6回会議の概要

 第6回会議は、9月5日(金)午前9時30分から正午まで開催された。検討された論点は、論点整理案(第4回)の「4  再審開始事由」の⑴から⑷までの4項目と、「5 再審請求事件の管轄裁判所」、「6 再審請求権者の範囲を拡大するか」である。

3 部会資料

 今回は、事務当局からの資料はなく、日弁連側から筆者の名で資料を2点提出した(第6回提出資料)。

 1点は、第4回会議の際に筆者の提出資料として事前配布されていた「諸外国の有罪確定後救済制度」と題する海外法制の一覧表について、成瀬幹事、川出委員、森本委員から……

(2025年09月26日公開)


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