冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第23回

冤罪(誤判)と再審法改正の最前線 第23回

法制審議会─刑事法(再審関係)部会のリアル⑯

第10回会議(11月11日)から第14回会議(12月23日)まで

鴨志田祐美 日弁連再審法改正推進室長


1 はじめに

 前回の本コラムが公開されたのは11月26日、10月31日に開催された第9回会議の内容をダイジェストした。それから1カ月余りの間に、法制審議会-刑事法(再審関係)部会(以下、「再審部会」という)では11月11日(第10回)、11月26日(第11回)、12月2日(第12回)、12月16日(第13回)、12月23日(第14回)と5回もの会議が開催された。想定をはるかに超えるスピード審議で、コラムの執筆も追いつかない状況となったため、第11回会議からは、会議終了後に日弁連委員・幹事が行っている記者レクをまとめた速報版を日弁連HPに掲載することにした。

 本コラムの一つの使命であった「速報性」は、上記記者レクに基づく速報版に委ねることとし、ここでは第10回会議以降における議論の流れを振り返り、今後の見通しを考察する。

2 第10回、第11回まで(2巡目)

 第10回会議で検討した論点は、「再審請求審における検察官の保管する裁判所不提出記録の弁護人による閲覧・謄写(いわゆる証拠開示)」「再審請求事件の管轄裁判所」「再審開始決定に対する不服申立て」「再審請求権者の範囲」、第11回会議で検討した論点は「再審請求に係る決定に対する不服申立期間」「再審請求審における裁判官の除斥・忌避」「再審請求の審理に関するその他の手続規定」「再審請求又は再審開始決定があった場合の刑の執行停止」「再審請求手続に関する費用補償制度」「再審請求審において取り調べられた証拠の再審公判における取扱い」、第12回会議で検討した論点は「再審請求審又は……

(2025年12月30日公開)


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