⑴ アメリカと日本の比較データ
アメリカでは、全米雪冤データベース(National Registry of Exonerations, NRE)((全米雪冤データベースのウェブサイトを参照されたい。https://exonerationregistry.org))が、無実の被告人に関する知りえる限りのすべての雪冤事件に関する情報を収集・分析し、公表している。NREはまた、雪冤に至る経緯や、誤判・冤罪の寄与要因についての実証的研究も行っている。1989年以降にアメリカで雪冤されたすべての事件についての包括的なデータを提示することを目的としており、1989年以前の雪冤事件に関するデータベースも収録している。
NREが用いる「雪冤(exoneration)」の定義は、比較的厳格である。「雪冤」と認定されるためには、当該犯罪について有罪判決が言い渡された上で、有罪判決の確定後に証拠を再検討することによって無罪を示す新たな証拠が発見され、無罪の宣告、恩赦、無罪判決、あるいは公訴の取消しに至る必要がある。このように厳格な定義を採用しているにもかかわらず、NREは、1989年から現在(2025年12月)までの間に、全米で3,767件の雪冤事例を確認している。このうち140件以上に対しては、当初、死刑判決が言い渡されていた。また、雪冤者のうち27名は、有罪判決から最終的な釈放に至るまで40年以上にわたって身体を拘束されていた。
NREはアメリカの事例を対象としているが、その情報と分析の多くは、日本にとっても有益である。とりわけ、NREによる冤罪への寄与要因(contributing fact……
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(2026年04月03日公開)
