5月4日(みどりの日)にマリファナマーチ開催/街の真ん中で大麻を語る


「非犯罪化せよ!」「大麻も選択肢のひとつに」などの横断幕が付けられたトラック(2026年5月4日、準備会場の青山公園南地区にて。撮影:刑事弁護OASIS)。

 2026年5月4日、表参道・渋谷にて「マリファナマーチ東京」が開催された。マリファナマーチとは、世界各地で行われている、大麻の規制緩和を訴える市民運動である。日本では、大麻が「ミドリ」と呼ばれることにちなんで、毎年、祝日・みどりの日である5月4日に開催されている。今年で25回目とのことだ。

 マーチは、刑罰を用いて大麻の使用等を禁止する現在の規制は見直すべき、との想いを共にする、さまざまな立場の参加者で作り上げる。マイクパフォーマンス、ミュージックパフォーマンス、着ぐるみ、ノボリ、プラカードなど、参加方法も多種多様だ。

大麻規制へのさまざまな想い

「大麻で救える命がある」「自由を奪うな」などと記された、ノボリやプラカードを持って歩く参加者(2026年5月4日、渋谷にて。撮影:刑事弁護OASIS編集部)。

 わが国では、1948年に制定された大麻取締法により、大麻の所持、譲渡・譲受、栽培、輸出・輸入などが、刑罰をもって禁止されてきた。そして2023年、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が成立し、大麻の使用も処罰されることとなった。

 逮捕報道や、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」をはじめとした政府主導の啓発活動も相まって、国民の大多数において、大麻=犯罪という認識が浸透していることだろう。

 もっとも、海外に目を向けると、2018年以降、嗜好利用も含めて合法化・非犯罪化を進める国や地域が相次いでいる。また、わが国の大麻取締りに多分に影響をもたらしたアメリカは、約半数の州で、合法的に嗜好利用ができる状態にある。

 そんな中でマリファナマーチに集まった人々には、大麻に対するネガティブなイメージに負けず、現状への問題提起をする力強さや熱意があった。

 マイクパフォーマンスを行ったある参加者は、自らの大麻使用経験に基づき、大麻は他者に危害を加えるようなものではないため取り締まるべきではない、と強く訴えた。別の参加者は、大麻が厳しく取り締まられているのは占領期から現在までのわずかな期間であることから、大麻取締法の歴史的経緯をふまえて大麻規制を見直すべき、と熱く語った。大麻使用を犯罪として非難するのではなく、使う場所や売り方のルールを定めて、大麻を使う選択も使わない選択も互いに尊重し合いたい、と主張する参加者もいた。

 参加者の多くはノボリやプラカードを持って歩き、大麻に対する各々の想いを表明した。マーチの現場には、大麻等の薬物対策のあり方検討会大麻規制検討小委員会の議論には反映されにくい人々の声が、確かに存在した。

隊列から見た意外な景色

隊列を先導する着ぐるみ(左から、あさじい、おおあさくん、マリーちゃん)と、隊列を写真に収める沿道の人々(2026年5月4日、渋谷スクランブル交差点にて。撮影:刑事弁護OASIS編集部)。

 音楽に合わせたマイクパフォーマンスや、ジェスチャーを使った沿道の人々とのコミュニケーションは盛り上がり、多くの人がマーチに好意的な目を向けた。中には、趣旨に賛同して飛び入り参加する人もいた。少なくない人が、いまの大麻規制に違和感や疑問を持っているのかもしれない。

 主権在民であるのだから、市民運動の場に現れる声も、国の政策決定において無視されてはならない。他方で、社会をかたちづくることに、国民一人ひとりが無責任であってはならない。法制度の変革には、個々人の積極的な取組みも必要だ。

 その方法は、マーチへの参加だけではない。事件報道をどう見るか、誰かが大麻で逮捕されたことをどう受け止めるか等、各々にできることを探し、実行することは、大麻規制に限らず法制度を変える一歩になるのではないだろうか。

(お)

【大麻規制と大麻裁判に関する資料】
・大麻を刑事規制することの問題点については、園田寿「【連載】大麻使用を新たに罰する改正法の仕組みと問題点」刑事弁護OASIS(2024年)が参考になる。
・文化、医療、経済、社会学、刑事政策などさまざまな観点から、大麻使用罪の是非を検討した書籍として、石塚伸一ほか編著『大麻使用は犯罪か?——大麻政策とダイバーシティ』(現代人文社、2022年)がある。
大藪龍二郎さんと柴﨑和哉さんは、自らの大麻事件に際して、大麻の取締りの違憲性について法廷で闘うことを選んだ。

(2026年05月13日公開)


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