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5(2008年)

[最優秀賞]

少年の安易な身体拘束と闘う

林真希はやし・まき東京弁護士会・59期

道交法違反(共同危険行為)保護事件

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[優秀賞]

外国人事件における困難に取り組んで

南川学なんかわ・まなぶ長野県弁護士会・58期

傷害被告事件外国人事件における困難に取り組んで

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[論評]

 第5回目を迎えた季刊刑事弁護新人賞には、自薦・他薦を含め全国から7名の応募がありました。応募総数は多くありませんが、札幌から2名、東京、横浜、長野、福島、岡山から各1名と、地域的に広がりが出たのが特徴的でした。司法修習の期では、57期3名、58期2名、59期2名でした。

 2007年10月28日に選考委員会を開き、厳正な審査の結果、標記のとおり最優秀新人賞1名、優秀新人賞1名が決定しました。

 今年度も選考委員がすべての応募作に目を通し、講評をしていきました。その結果、林真希さん(東京弁護士会・59期)が、多くの委員の推薦を受け、最優秀新人賞に選ばれました。裁判官によるたび重なる理不尽な身体拘束決定に対して、挫けることなく立ち向かい続け、拘束からの解放を勝ち取っていく姿は感動的です。また、勾留・観護措置決定に対して直ちに行動を起こし、父親と協力したりしながら少年事件に取り組む弁護人、付添人としての姿勢にも高い評価が集まりました。ドラマティックな展開で、文章もすばらしく、読みごたえのある作品となっています。

 優秀新人賞には、南川学さん(長野県弁護士会・58期)が選ばれました。外国人事件特有の困難さに立ち向かい、捜査段階の活動により殺人未遂から傷害に認定落ちを獲得したうえでの起訴とさせ、判決でも過剰防衛を認めさせた熱心かつオーソドックスな弁護活動が高く評価されました。

 第1回から第4回までは、最優秀賞1名、優秀賞2名が選出されていましたが、今回は優秀賞が1名にとどまりました。次点として、2名の応募作につき選考委員で議論をしましたが、その優劣についての結論が出ず、その結果、林さん、南川さんの作品と肩を並べるには至っていないという結論になったことが理由です。

 前回の最優秀賞は法テラスさいたま、今回の最優秀賞が北千住パブリック法律事務所、優秀賞が法テラス松本、その前の受賞者を見ても、公設事務所や法テラス関係の弁護士の受賞が目につきます。刑事弁護への取組みをテーマに掲げている事務所の弁護士が結果を出していることは喜ばしいところですが、一般事務所の新人弁護士にも奮起を期待したいところです。

 選考委員一同、次年度もより多くの方々からの応募を切に願っています。