5月19日、再審法改正をめざす市民の会は、結成4周年記念で、村山浩昭・元静岡地裁裁判長を招いて、集会を開催


大阪高裁は日野町事件の再審開始を認めたが、検察が特別抗告──裁判所前で支援者らに再審開始決定を知らせる弁護士(2023年2月27日)。

 再審法改正をめざす市民の会は、今年5月で結成4周年を迎える。同会は、5月19日(金)、再審法改正の機運を国会の中にもより浸透・拡大していくため、結成4周年記念集会を参議院議員会館で開催する。

 今年に入って再審請求で大きな動きが3つあった。

 2月、日野町事件で大阪高裁は再審開始を認めたが、検察が特別抗告。

 3月、飯塚事件で福岡地裁は警察から検察に送致された時の証拠リストを開示するよう福岡地検に勧告。さらに、証人尋問(弁護団が請求していた事件直後に死刑囚とは別の不審な男性を目撃した人)を5月31日にすることを決定。

 4月、袴田事件は3月の再審確定後、再審公判に関する事前協議で検察は方針確定まで3カ月を要すると冤罪救済をいたずらに長引かせている(詳しくは、「〈袴田事件・再審〉検察は「有罪の立証をしない」と表明/袴田さんの弁護団が申し入れ」)。

 日野町事件は、検察の特別抗告で再審開始がさらに先延ばしにされた。飯塚事件はようやく光が見えてきたが、ここまで14年もかかっている。袴田事件の再審は、80年代初頭の免田事件など4死刑再審の確定後であり、再審確定まで43年もの年月を要した。

 このように冤罪の救済が非常に遅れている要因は、再審制度そのものの不備にある。今、再審制度そのものへの問い直しの機運が市民の間で高まっている。

 同会は、①再審開始決定に対する検察官の不服申立ての禁止、②再審請求審における証拠の全面開示、③再審請求審における審理手続の明文化、を求めている。再審法改正に向けて、市民や国会への働きかけをさらに強めている。

○テーマ:再審法改正をめざす市民の会結成4周年記念集会

○日 時:5月19日(金)正午〜午後2時(終了予定)

○場 所:参議院議員会館101会議室(東京永田町)
     地下鉄永田町駅2番出口、国会議事堂前駅2番出口

○ネットでも視聴可(IWJが生配信)
  https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured
 Youtubeに不具合があった場合
  https://twitcasting.tv/iwj_ch5

○プログラム:
 ・対談/袴田事件から再審を考える(仮)………村山浩昭さん(袴田巌さんの再審開始決定を出した、元静岡地裁裁判長)+水野智幸さん(元裁判官・弁護士)
 ・出演/袴田秀子さん、西嶋勝彦さん(袴田事件再審弁護団長)

○主 催:再審法改正をめざす市民の会(RAIN)

○問い合わせ先:info@rain-saishin.org

(2023年05月02日公開)


こちらの記事もおすすめ