
8月9日、第6回夏のオンライン高校生文学模擬裁判交流大会が、龍谷大学札埜研究室オンライン高校生文学模擬裁判交流大会実行委員会の主催で行われた。
明治のゲルマン贋札事件を扱った松本清張作『相模国愛甲郡中津村』と『不運な名前』を題材として、参加校が検察側、弁護側のどちらかの立場になって、立証、弁護活動を行った。その結果、創志学園(岡山)が優勝し、神戸海星女子学院(兵庫)が2位となった。
参加校は、宮城県宮城野高等学校(宮城県)、洛星高等学校(京都府)、神海星女子学院高等学校(兵庫県)、創志学園高等学校(岡山県)である。
大会委員長の札埜和男・龍谷大学教授は、今大会についてつぎのように語る。
「創志の優勝は、コロナ禍に第1回オンライン高校生文学模擬裁判選手権が実施された2020年以来のこと。オリジナルの冒頭陳述と弁論の合致が見事であった。2位となった神戸海星女子学院(兵庫)は先輩から受け継がれた演技力が光り、昨年初参加の洛星(京都)は急成長ぶりを、宮城野(宮城)は伸びしろを感じさせた。
今回題材となった文学作品は、明治初めゲルマン贋札事件で重罪となった熊坂長庵を描いた松本清張の『相模国愛甲郡中津村』と『不運な名前』である(今回、北九州市立松本清張記念館のご協力により観戦者募集のリンクを張って頂いたお陰で、友の会会員からも観戦の申込みがあった)。
熊坂長庵は近代国家になってからの冤罪者である。閉会式では『明治新政府の犠牲になった人です。今回の模擬裁判を通じ、熊坂長庵の人間の尊厳の回復をはかって下さい。人間の尊厳は法の精神が有す至高の観念なのです』と綴られた、甲山冤罪被害者の山田悦子氏からの手紙を紹介した。
大会スタッフには高校生の時に文学模擬裁判に参加した大学生も加わり、運営を支える。神戸女学院の優勝メンバーで、同じ教材で創志学園とも対面の交流戦を戦ったKさん(法学部学生)が廷吏として参加し、試合後には高校生に向けて助言をしてくれた。『証言や供述に「隣近所」の言葉が出ていました。しかし、法廷で「隣近所」と言っても説得力がないので、「隣の家の人(〇〇さん)」のように具体的に設定すると、聞く人がリアルに「隣近所の人の顔」を思い浮かべられると思います』。このように、書かれていない所を読んで不自然なく想像していく力、より深い読解力が参加校全てに求められているといえるだろう。冬にはより一層成長した高校生の皆さんに会えることを期待したい」。
なお、後援団体の(株)TKC、刑事弁護オアシスより、大会参加記念として新刊『丸ちゃん教授のツミナハナシ』、特製キーホルダー(JUSTICE)などが、参加者全員に送られた。
(2026年08月24日公開)