
イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)は、今年4月1日に、前身である「えん罪救済センター」の発足から10周年を迎えた。これを記念して、10月31日(土)に東京でシンポジウムを開催する。
IPJは、2016年4月に日本版イノセンス・プロジェクト「えん罪救済センター」として発足し、2023年4月に、クラウドファンディングによる資金を元手に一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパンとして設立された。科学的証拠による冤罪救済を目的とし、科学者・法学者・弁護士、ボランティアの大学生を構成メンバーとして活動している。これまでに湖東記念病院事件、大阪AHT事件などで再審無罪判決を獲得し、2024年11月には今西事件で高裁逆転無罪判決を得て、今年3月に最高裁で確定した。
DNA型鑑定は、犯罪の捜査、裁判での有罪立証のために日常的に使用されており、一般に信頼性の高い証拠とみなされている。しかし、2025年9月には、佐賀県警察科学捜査研究所における鑑定不正が公にされ、その信頼性は大きく崩れた。8年以上見過ごされたさまざまな鑑定不正の深刻さは、その後の情報開示・検証の不十分さとあいまって、現在も波紋を広げている。DNA型鑑定は無罪の決定的な証拠となりうるにもかかわらず、鑑定試料の紛失、それをごまかすための記録の書き換えなども行われていた。このような鑑定不正は、冤罪を生みかねない。
また、この問題は、一つの科捜研、一人の職員の落ち度として矮小化されるべきではなく、捜査機関内の鑑定システムの問題として受け止める必要がある。今回の不正発覚をきっかけに、日本のDNA型鑑定の在り方について、改めて問い直すことが本シンポジウムの目的である。
当日は、IPJメンバーの富永洋一(弁護士)、平岡義博(立命館大学衣笠総合研究機関上席研究員)の基調報告の後に、鑑定不正が生じる原因、制度改正の方向性などを議論する。
◯テーマ:DNA鑑定は間違いを犯すのか──佐賀県警科捜研の鑑定不正を契機として
◯日時:10月31日(土)13:30~17:00
◯会場:ビジョンセンター東京八重洲905号室
◯プログラム:
・開会の挨拶………石塚章夫(IPJ 理事長/弁護士)
・基調報告
「佐賀県警科捜研の不正事件と法改正の提言」………富永洋一(弁護士)
「DNA 型鑑定と鑑定不正」………平岡義博(立命館大学衣笠総合研究機構上席研究員)
・パネルディスカッション………富永洋一、平岡義博、西岡千史(ジャーナリスト)、徳永光(獨協大学教授)
・IPJ 支援事件について………IPJ 学生ボランティア、半田孝太(クリスさんを支援する会代表)
・閉会の挨拶………笹倉香奈(IPJ 事務局長/甲南大学教授)
◯申込み方法:こちらから申し込む。
◯参加費:無料
◯主催:一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパン
◯問合せ先:TEL:090-2101-0931/お問い合わせフォーム
(2026年10月05日公開)