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第2回「オンライン高校生模擬裁判選手権」で、中央大学杉並高等学校が優勝


 第2回「オンライン高校生模擬裁判選手権(文学模擬裁判)」は昨年12月19日に、14校が参加して開催された。中央大学杉並高等学校(東京都)が優勝し、創志学園高等学校(岡山県)が準優勝した。以下3位は神戸海星女子学院高等学校(兵庫県)、4位は江戸川学園取手高等学校(茨城県)であった。

 大会では、芥川龍之介『藪の中』を題材に、参加校が検察側・弁護側それぞれの立場に立って立証・弁護活動を行った(大会の詳しい内容については、大会開催ニュースを参照)。

 大会を終えて、実行委員長の札埜和男・岡山理科大学准教授は、大会準備や当日の各校の戦いぶりについて次のように振り返った。

 ──大会準備のために、全国の高校をまわって指導したと聞いています。

 「本大会の特徴としてオンラインで各校を指導して回る取組みがあります。『諸国漫遊』と呼んでいます。今秋コロナがある程度収束したこともあり、実際に現地に足を運んで指導しました。14校中11校、東は宮城県から西は佐賀県までリアルに訪れました。一昨年はオンラインだからこそできることが焦点化されましたが、昨年はオンラインゆえの限界も感じました。実際に全国各地の学校を訪問指導することで対面での重要性を認識できました。やはり現地に足を運んで初めてわかることがたくさんあります。各校の置かれた環境は本当にさまざまです。そのことを実感したせいか、『奥行』を持って出場する生徒さんの姿を見ることができました」。

 ──大会当日の各校の戦いぶりで印象に残った点はありますか。

 「参加最低人数の3名で出場した学校は、被告人も証人も出さねばならないのですから、さぞ大変だったことと思います。上位3校には共通する点がいくつかあります。いずれも戦い方が確立されていますね。象徴的で極めて主観的な表現になりますが、総合力の中大杉並、試合巧者の創志学園、タレント性の神戸海星となりますでしょうか。また文学模擬裁判ということで、インターネットを検索したくらいではわからない難解な和歌を資料として用意しましたが、3校とも逃げることなく真正面からチームとしてどう解釈するか、考えていた点も共通していました。中大杉並は論告や弁論完成に至るまでに、古典、数学、理科、地歴の先生方にまで訊きまわったようです。『模擬裁判は国語であり、社会であり、数学であり、理科である』と唱える主催者としては、準備に取り組む姿勢としても優勝に値すると感じました」。

 ──オンラインでの大会運営にはさまざまな困難があると思われますが、心配はありませんか。

 「これに関わって頂いている支援弁護士、京都教育大学附属高校の卒業生、模擬裁判を通じて知り合った大学生らのスタッフが皆、能力的にも人間的にも私より優れたメンバーばかりなので、何の心配もありませんでした。第1回大会、東西・瀬戸内対決、夏の交流大会、そして第2回大会を経てオンライン大会を運営していくノウハウがかなり蓄積できました。もちろん課題は山積ですが、今後1つひとつクリアして運営の精度を高めていきます。優秀なスタッフが支えてくれていますので、それは十分可能だと信じています。これからも日本で唯一のユニークな『文学模擬裁判』大会として回を重ねていく所存です」。

○第2回「オンライン高校生模擬裁判選手権」出場校(14校・順不同):
 ・宮城県宮城野高等学校(宮城県)
 ・江戸川学園取手高等学校(茨城県)
 ・中央大学杉並高等学校(東京都)
 ・京都府立莵道高等学校(京都府)
 ・京都女子高等学校(京都府)
 ・神戸女学院高等学部(兵庫県)
 ・神戸海星女子学院高等学校(兵庫県)
 ・大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎(大阪府)
 ・創志学園高等学校(岡山県)
 ・岡山学芸館高等学校(岡山県)
 ・広島女学院高等学校(広島県)
 ・愛光高等学校(愛媛県)
 ・上智福岡高等学校(福岡県)
 ・佐賀県立佐賀西高等学校(佐賀県)

(2022年01月20日公開) 


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