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市民団体が、警察法改悪反対・サイバー局新設反対で院内集会


院内集会で発言する小倉利丸氏(2022年3月1日、衆議院第1議員会館第1会議室)

 3月1日、警察法改悪反対・サイバー局新設反対2・6実行委員会の主催で、サイバー警察局を新設する警察法改悪案の廃案をめざす院内集会が行われた。

 本年1月28日に「サイバー警察局」を新設する警察法改正案が国会に上程された。警察庁では初の捜査機関となる200人規模の「サイバー特別捜査隊」を同庁の関東管区警察局に新設。これまで警備局や生活安全局、情報通信局にまたがっていた同庁のサイバー関連部門を統合して、サイバー攻撃手段の解析や情報の収集、分析などを行う。管轄区域は日本全国で、警察庁が直接捜査する部署を持つのははじめてである。警察庁は、本国会で法案を通し、サイバー警察局を4月1日から開設させたい意向である。

 実行委員会は、主に以下の2点からサイバー警察局の新設に反対している。

 1つは、サイバー警察局が対象とする「サイバー領域」とは私たちが日常的に利用する電子メールやSNSなどによるコミュニケーションの場であり、警察の介入によって貴重な「通信の自由」や「表現の自由」が侵害される危険性を持っていること。法案では「サイバー事案」「重大サイバー事案」などの対象領域が具体的にどこまでを指定するものなのか大変曖昧であるとする。

 もう1つは、なぜ国家機関である警察庁にサイバー警察局を新設し、捜査権限を付与しなければならないのか。戦後国家警察は解体され、捜査権限は自治体警察にしか認められていないが、サイバー領域だからといって捜査権限を警察庁に認めてよいのか。既存の組織ではなぜいけないのか。こうした不明な点の多い法案を拙速に成立させることは、民主主義の根幹に関わる危機だという。 

 院内集会では、実行委員会の小倉利丸氏が、「現代社会では、サイバー空間とリアルな社会とは密接に結びついている。この改正は、憲法で保障されている通信の秘密、表現の自由、思想信条の自由の領域を専門に捜査する機関が創設される」と法案の狙いを指摘した。

 また、共通番号いらないネットの原田富弘氏が、サイバー警察局新設と警察情報管理システムの合理化・高度化について、マイナンバーカードと運転免許証との一体化などと関連させてその動きを報告した。

 現在のところ、この法案に反対しているのは共産党だけである。共産党の塩川鉄也衆議院議員が同集会に駆けつけて、警察庁に捜査権限を与える重要な法案であるので、時間を十分とって審議をすべきだと訴えた。 なお、サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の創設に反対する学者・弁護士らが共同声明を出している。

(2022年03月02日公開) 


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