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4月23日、NHKBS1で「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」を放送


問題となったDNA型鑑定の写真

 NHKのBS1(東京・大阪)で、4月23日(土)19時から21時50分(170分)まで、飯塚事件についてBS1スペシャル「正義の行方〜飯塚事件 30年後の迷宮〜」が放送される。「死刑執行された人物は真犯人だったのか──。福岡県で2人の女児が殺害された『飯塚事件』から30年。立場の異なる当事者たちの証言をもとに3部構成で事件の全体像」を2時間50分にわたって検証する。

 1992年、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が登校途中に行方不明になり、山中で遺体となって発見された。1994年、警察は、久間三千年(くま・みちとし)さんを、遺体のそばに付着した血液から採取したDNA型(MCT118型DNA鑑定)が久間さんのものと一致したとして、逮捕・起訴した。

 久間さんは捜査段階から一貫して無罪を主張していたが、一審の福岡地裁は、MCT118型DNA鑑定や目撃証言などの情況証拠に基づいて死刑判決を言い渡し、2006年に最高裁で確定。再審請求を準備していた、2008年10月28日に、無念にも死刑が執行された(執行時70歳)。

 2009年10月28日、久間さんの妻が新たなDNA型鑑定などを理由に第1次再審請求を福岡地裁に申し立てた。福岡地裁は、科警研が行ったMCT118型DNA鑑定は久間さんの犯人性を基礎づける事実・事情とすることができないことを認めたが、そのDNA型鑑定以外の情況証拠によって確定判決は揺るがないとして、この請求を棄却した。2021年4月、最高裁は、弁護団の請求理由にまともにこたえず、特別抗告を棄却した(詳しくは、「『飯塚事件』死刑執行後の再審、最高裁も認めず/弁護団の主張に向き合わないまま」を参照)。

 このため久間さんの妻は2021年7月9日、新たな目撃証言などを理由に2度目となる再審請求を福岡地裁に申し立てた。今年3月末に、検察官から意見書が提出され、現在、弁護団はその検討をしている。捜査段階の証拠、とくに有罪認定の決め手となった目撃証言の経過などに関する証拠がいまだ開示されていないので、証拠開示を積極的に求めていく方針である。

 なお、第1次再審についてその争点と弁護団の主張をまとめた『死刑執行された冤罪 飯塚事件』(飯塚事件弁護団編)がある。

(2022年04月19日公開) 


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