11月10日、HRWとIPJが「人質司法サバイバー国会」を参議院議員会館で開催


人質司法について語る村木厚子氏(左)と山岸忍氏(右)(2023年11月10日、参議院議員会館の講堂にて)。

 11月10日(金)、「ひとごとじゃないよ!人質司法」プロジェクト(HRW×IPJ主催)が「人質司法サバイバー国会」を参議院議員会館一階の講堂で開催され、会場は満席、予定の時間を超えて「人質司法サバイバー」がその理不尽さを訴えた。

 まず、村木厚子氏(郵政不正事件)と山岸忍氏(プレサンス・コーポレーション事件)による基調トークが行われた。今後、人質司法の被害者をなくしていくために、どういうふうに考えて取り組んでいけばいいのかという問いに対し、村木氏は「検察官の資質やモラル、心がけに頼っても何も変わらない。身体拘束ができるとか、弁護人を立ち会わせないとか、録音・録画が完全にできていないとか、そういう仕組みをトータルに変えていくことが一番大事」と話った。それを受けて、山岸氏は「村木さんの事件のあった後に『検察の理念』ができたんですけど、あの通りにやってくれたら、えん罪は起きないんです。ただ私を担当した検察官は、『検察の理念』と真反対のことしか言わなかった。なんのための理念だったのかを作った人にお聞きしたい」と話された。

 つづいて、青木惠子氏(東住吉事件)、菅家かずみ氏(SBS/AHT事件)、相嶋一登氏・大川原正明氏・島田順司氏(大川原化工機事件)、西山美香氏(湖東記念病院事件)、江口大和氏ら17組18人が登壇し、自らの体験や心情を語った。

 当日は、伊藤孝江(公明党)、福島みずほ(社民党)、斎藤健一郎(NHKから国民を守る党)、打越さく良(立憲民主党)、浜田聡(NHKから国民を守る党)、中谷一馬(立憲民主党)らが参加し、法制度改善への決意を述べた。

 なお、この模様は「ひとごとじゃないよ!人質司法」プロジェクトのHPでアーカイブ配信が予定されている。


【関連記事:特集「STOP人質司法!」】
第1回 土井香苗さんに聞く(1)「人権先進国といわれる日本に「人質司法」って、本当にあるの?」
第2回 土井香苗さんに聞く(2)「弁護士から人権活動家へ——「人権もすごいよ」と誇れる日本に!」

(2023年11月15日公開)


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