
「プレサンス事件」をもとにした映画『負けへんで』が11月13日(金)より全国で劇場公開される。
2019年、大手不動産会社プレサンスコーポレーション社長(当時)の山岸忍氏が、身に覚えのない21億円の業務上横領の被疑事実で大阪地検特捜部に逮捕され、248日間にわたって勾留された。山岸氏は、会社を守るために社長を辞任し、「最強弁護団」を結成して、法廷で徹底的に闘った。そのなかで、取調べの録画映像から、検察官が山岸氏の部下に対して恫喝まがいな違法取調べを繰り返して自白を取ろうとしていたことなど、杜撰な捜査の実態が明らかになった。2021年10月28日、大阪地裁は山岸氏に無罪判決を言い渡し、検察側が控訴を断念し、確定した。
これらの裁判等の経緯について詳述している山岸氏による書籍『負けへんで──東証一部上場企業社長vs地検特捜部』をもとにした映画『負けへんで』が公開される。主人公を内野聖陽が務め、検察官役を松本若菜、主人公の無実を信じ支える友人役を北村一輝が演じる。監督は『空飛ぶタイヤ』や『超高速!参勤交代』を手がけた本木克英氏である。
主演の内野聖陽は、「ある日突然、自分があらぬ疑いをかけられ、検察の作ったシナリオで有罪扱いされていく。本作で描かれる事件について知った時、現代の日本の司法の世界にそんなことがあり得るのかと、衝撃でした。過去にも冤罪事件はいくつもありますが、この役柄を演じるにあたって思ったことは、人間の作った司法の世界も、他の仕組みと同じように、決して万能で完全無欠ではないのだという事実を改めて知ったように感じます。国家権力のもとに行使されるそうした間違った捜査方法は、人の命、人生を奪う、天敵のいない暴力になりうるんだということがとても怖いことだと感じました」などと公式ホームページでコメントしている。
なお、山岸氏は無罪を勝ち取ったが、その闘いはまだ終わっていない。2022年3月、山岸氏は長期間の勾留と違法取調べによる精神的苦痛や、社長を辞任せざるをえなくなったことに対する経済的損害などに対して、国に約7億7千万円の賠償を求めて国賠訴訟を提訴している。一審の大阪地裁は、取調べの違法を認めつつも、山岸氏の請求を棄却し、山岸氏が控訴して現在大阪高裁で係争中である。
また、山岸氏の部下に対する取調べにおいて、「検察なめんなよ」と机を叩いて怒鳴りつけるなどした元大阪地検特捜部の田渕大輔検事について、特別公務員暴行陵虐罪で付審判請求を申し立てた。大阪高裁が付審判決定を下し、今年7月から、検察官として初となる異例の公判が大阪地裁で開かれている。
(2026年11月04日公開)