11月1日、国際シンポジウム「刑罰はなぜ刑務所収容という形態を取るのか——フーコー『監獄の誕生』刊行50周年」/刑事政策学、犯罪学、社会思想の観点から重層的な議論


明治の五大監獄の一つであった奈良監獄の内部(2019年11月24日、撮影/刑事弁護オアシス編集部)

 2025年は、ミシェル・フーコー(Michel Foucault 〔1926–1984〕)の『監獄の誕生』刊行50周年に当たる。

 フーコーの代表作である同書は、哲学・思想や社会学のみならず、法学、とりわけ刑事政策学や犯罪学にも大きな影響を与えてきた。その意義は主として「規律権力」という近代社会を包括する概念から議論されてきたが、同書が立てた根本的な問いである「刑罰はなぜ刑務所収容という形態を取るのか」という問いはほとんど省みられてこなかった。2部構成からなる本国際シンポジウムの目的は、この刑罰と刑務所収容をめぐる問いについて、刑事政策学、犯罪学、社会思想の観点から重層的な議論を展開することである。

 第1部「刑罰はなぜ刑務所収容という形態を取るのか」では、『監獄の誕生』での議論と、海渡雄一弁護士が代表を務める監獄人権センターの実践から出発して、刑罰と刑務所収容をめぐる問題を法理論と法実務の両面から議論する。

 第2部「監獄情報グループと『監獄の誕生』」では、『監獄の誕生』執筆直前にフーコーが組織した監獄情報グループ(GIP)という社会運動と同書の関係について考察する。フーコー研究の第一人者として知られるフィリップ・アルティエール(フランス国立科学研究センター)が基調講演を行い、『監獄の誕生』の問いとGIPの関係を議論する基礎を提供する。

◯テーマ:国際シンポジウム/刑罰はなぜ刑務所収容という形態を取るのか——フーコー『監獄の誕生』刊行50周年

◯日時:2025年11月1日(土)13:00~18:30

◯会場:東京大学本郷キャンパス、国際学術総合研究棟3番大教室

◯参加費:無料(事前登録不要)

◯プログラム:
【第1部】13:00~15:00
 「刑罰はなぜ刑務所収容という形態を取るのか」………海渡雄一(弁護士、監獄人権センター代表)、赤池一将(龍谷大学)、安田恵美(國學院大学)
【第2部】15:15~18:30
 「監獄情報グループと『監獄の誕生』」(1)………フィリップ・アルティエール(フランス国立科学研究センター)
 「監獄情報グループと『監獄の誕生』」(2)………佐藤嘉幸(筑波大学)、箱田徹(神戸大学)、市田良彦(神戸大学)

◯主催:フーコー研究フォーラム監獄人権センター

◯問合せ先:佐藤嘉幸(フーコー研究フォーラム)
  メール:sato.yoshiyuki.ff@u.tsukuba.ac.jp

(2025年10月17日公開)


こちらの記事もおすすめ