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日本弁護士連合会、〈弁護人の取調べに立会わせる権利の実現〉を目指す宣言採択


第62回日本弁護士連合会人権擁護大会
第62回日本弁護士連合会人権擁護大会で趣旨説明をする山口健一第1分科会実行委員長(2019年10月4日。徳島市)

 第62回日本弁護士連合会人権擁護大会が10月3、4の両日、徳島市で開かれた。3日には、台風による強風雨のなか3つのシンポジウムが行われたが、「取調べ立会いが刑事司法を変える——弁護人の援助を受ける権利の確立を」シンポには弁護士や市民ら1000人以上が参加した。
 4日の人権擁護大会で、「弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言——取調べへの立会いが刑事司法を変える」が採択された。

 同連合会は、松江宣言(1989年)から、刑事司法の形骸化を打破し、刑事弁護の充実・強化をはかるために、全力をあげて取り組んできた。それが被疑者国選弁護制度(現在、対象事件は全勾留事件)の実現に結びついたことは周知の事実である。さらに、一部の事件ではあるが取調べの録音・録画の実現に至っている。

 この大会宣言は、取調べの可視化(取調べ全過程の録音・録画)の全件への拡大を実現するとともに、日本国憲法で保障された弁護人の援助を受ける権利を実質化するために、弁護人の取調べに立会わせる権利の実現に全力を挙げて取組むことを宣言した。具体的には、以下の点を捜査機関に求めた。

① 国に対し、検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者又は弁護人の申出 を受けたときは、弁護人を取調べ及び弁解の機会に立ち会わせなければならない旨を刑事訴訟法上に明定するよう改正すること。

② 検事総長及び警察庁長官に対し、前記①の法制化がなされるまでの間、各捜査機関の捜査実務において、被疑者又は弁護人が求めたときは、弁護人を取調べ及び弁解の機会に立ち会わせること。

 欧米や韓国・台湾ではすでに弁護人の立会いは実現している。日本で、刑事訴訟法施行70年にして、ようやくその実現への第1歩が踏み出された。一日も早い実現を望む。(な)


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