スペイン人教誨師と日本の死刑囚の姿を描くドキュメンタリー映画、2027年秋公開予定、完成に向けてクラウドファンディング実施中 


「モーションギャラリー」サイトより転載

 死刑の廃止が国際的な潮流となっており、すでに世界の3分の2以上の国が死刑を法律上、もしくは事実上廃止している。そのような現状においても、日本はいまだに死刑を存置しており、世論調査では国民の8割が死刑制度を容認している。昨年6月にも、座間9人殺害事件の白石隆浩さんに死刑の執行が行われた。

 そんな中、スペイン出身のハビエル・ガラルダさん(聖イグナチオ教会神父)は、死刑囚を“ともだち”と呼び、2000年から小菅の東京拘置所で教誨師として死刑囚との面会を続けてきた。“ともだち”は計5人で、2人はすでに死刑執行され、2人は獄死した。ガラルダさんは、面会している “ともだち”は、十分に改心しているとわかるという。

 ガラルダさんは1931年にスペインのマドリードで生まれた。スペインでは、死刑制度は1978年に制定された新憲法により平時のみ廃止、1995年に軍法上も含め完全廃止されている。現在94歳であるガラルダさんは、日本の死刑囚の心を支えるため、これからも面会を続けていくことを誓っている。
 
 数多くのドキュメンタリー番組や映画を手がけてきた坂口香津美監督は、そのように死刑囚と濃密に関わるガラルダさんの姿を通して、日本における罪と罰や、命の尊厳を問うドキュメンタリー映画『教誨師と死刑囚』を、現在制作している。坂口監督は、同映画を通じて、日本はなぜ死刑を存置し続けるのか、一人ひとりが深く考え直す契機となることを願っている。

 映画は2027年秋に公開予定である。完成に向けて、4月17日(金)までクラウドファンディングを募っている。詳細はこちら

 ガラルダさんは言う。

 「死刑制度は、終わらせてほしい。被害者遺族が本当につらい思いをしているのは分かります。ただ、私自身は、死刑は『間接的な復讐』で、“深いところの自分”はそれを望んでいないはずだと考えているからです。イエス・キリストは『敵を愛しなさい』と言いました。最初は憎しみで余裕がないでしょう。しかし、時間が経ち、少し落ち着いたら、その時には選ぶことができるのではないでしょうか。復讐の道を歩き続けるか、死刑囚のため祈る道を歩くのか」。

(2026年01月26日公開)


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