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9月6日、日弁連が当番弁護士制度30周年で、記念集会を開催


大分県弁護士会の当番弁護士制度を知らせるポスター

 この10月で、当番弁護士制度が全国で実施されてから30年が経過する。それを記念して、9月6日(火)、日本弁護士連合会(日弁連)は、記念集会を開催する。
 1990年9月に大分県弁護士会が名簿制(パネル方式)で、同10月に福岡県弁護士会が待機制(ロータ制)でそれぞれ当番弁護士制度を開始した。さまざまな困難を乗り越えて1992年10月、全国の弁護士会で実施することになった(大出良知『刑事弁護の展開と刑事訴訟』参照)。ここに、日本で初めて身体拘束された被疑者に対して弁護士が速やかに接見し無料で法的援助をする制度が実現した。

 この集会では、改めて当番弁護士制度の取組みを振り返るとともに、被疑者・被告人の権利保障拡充に向けた刑事司法制度改革の必要性を訴える。

 当番弁護士制度創設の背景には、次のことがあった。「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」という診断で有名な平野龍一論文(「現行刑事訴訟の診断」、1985年発表)に見られるように、日本の刑事裁判の病理が噴出していたこと。さらに、1980年代になって免田事件など死刑事件が再審で無罪になったが、その原因究明が不十分で、防止のために具体的な法改正が行われなかったこと。そのような刑事裁判をなんとかしなければならない、そのためには刑事弁護の充実・強化は不可欠だとする弁護士会・弁護士の共通意識が当番弁護士制度に結実したのである(当番弁護士制度導入とそれが刑事司法に与えた衝撃ついては、福岡県弁護士会編『当番番弁護士は刑事手続を変えた——弁護士たちの挑戦』を参照)。

 この当番弁護士制度の発展を語るとき、同制度の意義に賛同し支援した、福岡、大阪、京都、東京、札幌など市民の会の活動も忘れてはならない。

 当番弁護士制度導入の経緯や舞台裏は、以下の記事が詳しい。1つは、イギリスの当番弁護士制度を日本に紹介した村岡啓一弁護士のインタビュー記事(「刑事弁護人の泉」第10回)。もう一つは、「弁護士が創る、弁護士が育む法制度」と題する座談会(『多様な社会を実現する司法〔2022年度法友会政策要綱〕』4頁以下)である。

○テーマ:当番弁護士30年〜これからの改革課題と展望〜

○日時:2022年9月6日(火) 17時30分〜20時

○場所:会場とオンライン(参加無料・要事前登録)
    会場参加(定員50 名)は、8月31日で締め切った。

○申込み方法:オンライン配信・事前申込み。お申し込みはこちらから。

○プログラム:
1 当番弁護士制度の導入当時の報告
 ①そのとき、弁護士会はどう動いたか………山口健一(国選弁護本部副本部長、大阪弁護士会)
 ②そのとき、裁判所はどう動いたか………村瀬均(当時の最高裁判所事務総局刑事局第二課長、神奈川県弁護士会)
 ③そのとき、市民はどう動いたか………大門秀幸(当番弁護士制度を支援する会・大阪 元事務局長)

2 講演「当番弁護士制度の意義と刑事司法改革」………大出良知(九州大学・東京経済大学名誉教授、東京弁護士会)

3 パネルディスカッション「当番弁護士とこれからの改革の課題と展望」
  パネリスト/大出良知・髙見健次郎(国選弁護本部副本部長、金沢弁護士会)・有働悠(同事務局次長、秋田弁護士会)・長沼正敏(同委員、埼玉弁護士会)
  コーディネーター/岩井羊一(同本部長代行、愛知県弁護士会)

4 当番弁護士広報動画の上映

※チラシはこちら

○主催:日本弁護士連合会

○問合わせ先:日本弁護士連合会法制部法制第二課 電話:03-3580-9948

 なお、この前日の9月5日(月)には、日弁連は「取調べの可視化フォーラム——可視化道半ば 全件全取調べの録画を」を開催する。

(2022年08月31日公開) 


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