第3回夏のオンライン高校生文学模擬裁判交流大会で、神戸女学院高等学部が優勝


 8月11日(金・祝)に、「第3回夏のオンライン高校生文学模擬裁判交流大会」が、龍谷大学札埜研究室とオンライン高校生文学模擬裁判交流大会実行委員会の主催で、Zoomで開催された。

 今回の模擬裁判のテーマは、現代版近松「坂田山心中未遂事件」で、全国から6校が参加し、熱戦が繰り広げられた。優勝したのは神戸女学院高等学部(兵庫県)で、準優勝は上智福岡高等学校(福岡県)である。

 大会実行委員長の札埜和男准教授(龍谷大学文学部)は、同模擬裁判交流大会の結果について、つぎのように語る。

 「非常に実力が伯仲した『熱戦』が多かったという印象です。優勝したのは神戸女学院高等学部。夏はこれで3連覇です。4名の選手其々が個性的でしたが1つにまとまっていました。的確な異議出し、黙秘権を行使させた反対質問、音声トラブルにも慌てず冷静に対応した弁論など隙がありませんでした。とりわけ証人が1932年に発表された『天国に結ぶ恋』の一節を法廷で歌い上げた場面にはびっくりさせられました。それだけなりきっていた証でしょう。また札幌龍谷学園や済美平成も初出場とは思われない見事な戦いぶりでした。被告人役の生徒が実際に涙を流した上智福岡(準優勝)、被告人の職業と保険金の関係を導き出した神戸海星、オリジナルの冒頭陳述で勝負した京都女子など各校ともバラエティに富んだ戦い方でした。今回は恋愛の心中をテーマに、生命保険、末期がん、ギャンブルなど『大人』向けの教材だった分、想像力の梯子はいつも以上に高さが必要だったかと思いますが、作成者の意図を越えたところでさまざまな読みを展開下さった高校生の皆さんに心より賛辞を送ります。」

○出場校(6校)
 ・札幌龍谷学園高等学校(北海道)
 ・京都女子高等学校(京都府)
 ・神戸女学院高等学部(兵庫県)
 ・神戸海星女子学院高等学校(兵庫県)
 ・済美平成中等教育学校(愛媛県)
 ・上智福岡高等学校(福岡県)

○競技方法:参加校は予め配布される文学教材シナリオや関連資料をもとに、参加校が検察側・弁護側どちらかの立場に立って立証・弁護活動を行う。シナリオ創造型の模擬裁判である。参加校は決められた時間に従い、立証・弁護活動を行い、審査員がそれらの内容を評価して、その総合点で勝敗を決める。得点の高い順から優勝校・準優勝校を決める。

○採点基準:読解力、人間や社会への洞察力、論理性、表現力等の視点から採点する。

○各チーム人員:1試合に必要な生徒数は、検察側・弁護側いずれの立場でも最低3名とする(証人役、被告人役は生徒が行う。検察官役、弁護人役の生徒は証人役あるいは被告人役を兼ねることはできない)。

(2023年08月24日公開)


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