
2025年6月に拘禁刑が施行され、2022年刑法等一部改正に基づく一連の刑罰制度改革はすべて実装された。今後、刑事拘禁法・処遇法がどこに向かうのかが問われることになる。重要な画期にあたって、刑事立法研究会では、10月末に、書籍『新時代の刑事拘禁法・処遇法〔石塚伸一先生・赤池一将先生古稀祝賀論文集〕』(現代人文社刊)を公刊する。その出版を記念して公開研究会が、京都と東京で開催される。
本書の構成は、第1部(刑事拘禁・施設内処遇のゆくえ)、第2部(未決拘禁問題のゆくえ)、第3部(社会内処遇のゆくえ)の3部構成で、最後に「座談会/刑事立法研究会と刑事拘禁法・処遇法の課題と展望」で締めくくられている。石塚伸一、赤池一将両氏の古稀記念祝賀論文集でもあり、それぞれの年譜・業績一覧が収録されている。編集委員は、相澤育郎・武内謙治・本庄武・丸山泰弘各氏である。
刑事立法研究会は、1987年に刑事法研究者によって創られた。刑事拘禁法・処遇法の分野における人権化、人間化、法律化、社会化、国際化の充実を目指して、精力的に研究活動を展開してきた。政府が刑事施設法案・留置施設法案(拘禁二法案)を国会に提出すると、刑事拘禁法要綱案を作るなど立法提案も積極的にしてきた。さらに、2002年の名古屋刑務所事件後、政府に行刑改革会議が設けられたが、それに対しても積極的に発言した。
【京都研究会】
◯日時:2025年10月19日(日)13:30〜16:30
◯場所:龍谷大学深草キャンパス慧光館401教室
◯プログラム:
・赤池一将「拘禁刑の導入とともに、私たちが考えること」
・石塚伸一「拘禁刑の刑罰体系上の地位について」
【東京研究会】
◯日時:2025年11月30日(日)13:30〜16:30
◯場所:立正大学品川キャンパス9号館932教室
◯プログラム:
・赤池一将「『監獄の誕生』を読み、私たちが考えること」
・石塚伸一「懲役と禁錮の狭間で〜新旧刑法にまたがる薬物事犯の擬律」
◯参加費・事前申込:両研究会とも不要
◯主催:刑事立法研究会
◯問合わせ先:
[京都]相澤育郎:iaizawa@law.ryukoku.ac.jp
[東京]丸山泰弘:maruyama@ris.ac.jp
(2025年10月10日公開)