
現在、早期のえん罪救済を目指すために、野党6党の議連の再審法改正案が国会に提出されている。しかし、いまだ実質的な審議が始まっていない。自民党内では「法制審を見守る」立場の議員が多く、足踏み状態である。また、法制審では、証拠開示などで後ろ向きの意見が多数をしめている。
そういう状況の中で、12月7日、国際シンポ「東アジアにおけるえん罪救済のこれまでとこれから」が、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)などの主催で開かれる。
司法制度は国によって様々であるが、えん罪は、どの国にも存在している。えん罪の原因も、驚くほど各国で共通している。他方で、えん罪救済では、各国において新たな立法や議論状況が展開してきている。このシンポジウムでは、日本、台湾、韓国、マレーシアの、アジアの国々において近年浮かび上がってきている、人質司法、再審法改正、死刑とえん罪などの重要な論点を取り上げて、議論する。
台湾、韓国、マレーシアのえん罪救済関係者が一堂に会するほか、現在、IPJをモデルにドラマ「シリウスの反証」を撮影中の映画監督・松本優作さん(映画「Winny」など)のトークセッションも開催する。
アジア・イノセンス・ネットワークは、アジアでえん罪救済運動に取組む団体のつながりで、2018年にイノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)と、台湾イノセンス・プロジェクト(TIP)が呼びかけて、立ち上がった。今回は、第4回の大会である。台湾イノセンス・プロジェクトのほか、台湾民間司法改革基金会(JRF)と、韓国及びマレーシアの、同じ志を持った研究者・実務家が集まる。
◯テーマ:【国際シンポジウム】アジア・イノセンス・ネットワーク大会2025/東アジアにおけるえん罪救済のこれまでとこれから
◯日時:2025年12月7日(日)10:00〜17:30(9:45開場)
◯場所:龍谷大学深草キャンパス慧光館(えこうかん)101教室
キャンパスマップはこちら。
◯参加費:無料、要事前申込み。
申込みはこちらから。
◯プログラム:(日本語で開催。ところどころ、英語〔逐次通訳〕が入る)
総合司会:湯浅彩香(IPJ/弁護士)・今西貴大(今西事件当事者)
・10:00〜10:20【開会セッション】
はじめに………石塚章夫(IPJ理事長/弁護士)
あいさつ………マーク・ゴッドシー(イノセンス・ネットワーク国際部会共同代表/オハイオ・イノセンス・プロジェクト)
・10:20〜12:10【Session1「取調べと人質司法」】
セッションの趣旨………司会:伊藤 睦(IPJ/京都女子大学)
基調講演………渕野貴生(IPJ理事/立命館大学)
コメント………ミョンキ・キム(韓国国立警察大学)*英語/逐次通訳
コメント………顔 榕(TIP理事/台北大学)
・12:10〜13:20 休憩(昼食は持参いただくか近くの飲食店等でとることができる。会場で持参した昼食をとること可)
・12:55〜13:15 【スペシャルトークセッション】
WOWOW連続ドラマ「シリウスの反証」撮影を通してえん罪について考えたこと………松本優作監督
・13:20〜15:00 【Session2「再審法改正——台湾におけるここ10年の経験から学ぶこと」】
セッションの趣旨………司会:洪 維德(TIP監事/台北弁護士会弁護士)
基調講演………謝 煜偉(TIP理事/台湾大学)
コメント………川﨑拓也 (IPJ理事/弁護士)
・15:00 〜15:20(休憩)
・15:20〜17:10 【Session3「死刑とえん罪」】
セッションの趣旨………司会:羅 秉成(TIP理事長)*英語/逐次通訳
基調講演………アブドゥル・ラシッド・イスマイル(クアラルンプール弁護士会弁護士)*英語/逐次通訳
コメント……張 樺哲(台湾民間司法改革基金会〔JRF〕)*英語/逐次通訳
コメント……笹倉香奈(IPJ事務局長/甲南大学)
・17:10〜17:30 【閉会セッション】
おわりに………羅 秉成*中国語/字幕付
◯主催:イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)、台湾イノセンス・プロジェクト(TIP)、台湾民間司法改革基金会(JRF)、Rashid Zulkifli
◯後援:Ohio Innocence Project、University of Cincinnati Law School、龍谷大学矯正・保護総合センター、IPJ学生ボランティア
(2025年11月12日公開)