9月27日、NHK・新プロジェクトXで、「雪冤 袴田事件 前編:執念の“みそ漬け実験”逆転の新証拠」を放送決定


 

 NHK総合で、2025年9月27日(土)午後8時から、「雪冤 袴田事件 前編:執念の“みそ漬け実験”逆転の新証拠」が放送される。後編は、10月4日(土)。

 袴田事件は昨年9月26日、再審公判で無罪判決がくだされた。58年にわたって「犯人」とされた袴田巖さんは、ようやく雪冤を果たした。その無罪確定までの道のりを2週にわたって放送。

 「5点の衣類」(半袖シャツ、ステテコ、ズボン、スポーツシャツ、緑色ブリーフ)は、1966年の事件発生から1年2カ月後、現場近くの味噌工場の醸造タンクから麻袋に入れられて発見された。有罪判決は「5点の衣類」を犯行着衣として認定し、死刑判決。しかし、無罪判決では、この「5点の衣類」などについて捜査機関による「証拠のねつ造」を認定した。前編は「5点の衣類」のねつ造を実証した「みそ漬け実験」をめぐるドラマ。

 第1次再審請求が静岡地裁、東京高裁で棄却され、最高裁で特別抗告が審理中の2006年、「袴田巖さんを救援する清水・市民の会」事務局長の山崎俊樹さんは、この実験を「流れを変えるために新しい証拠を見つけたい」という一念から始めた(小石勝朗『袴田事件 これでも死刑なのか』)。

 第1次再審請求が棄却されたため、山崎さんら支援者と弁護団は、この実験報告書を第2次再審請求で新証拠として静岡地裁に提出。これが決定的証拠となり、2014年3月27日の村山浩昭裁判長よる再審決定に結びつく。

 再審開始から、再審公判無罪までの支援者・弁護団の活動と審理経過は、小石勝朗著『袴田事件 死刑から無罪へ──58年の苦闘に決着をつけた再審』に詳しい。

(2025年09月25日公開)


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