実践!弁護側立証


A この本は、刑事弁護人の視点で、刑事弁護に おける情報・証拠収集、立証活動が網羅的に記載された実践的なものですね。

B 弁護側立証ってその人のセンスに委ねられがち なんですけど、これ読んでおくと「こういう方法があ るんだ」と気づけるので、「はしがき」には通読を予 定していないとありますが、二回試験終わって弁護 士になる前に一度通読しておくとよいと思いました。

C 手続的なことも細かく書いてくれているので、こ れを見ながら順を追ってやっていけばいいし、書式 があるのも助かります。

D 具体的なことが書いてあるのがいいですよね。

E 新人が『刑事弁護ビギナーズ』の後に買うべき 本ベスト3くらいには入るんじゃないですか。 C ただ23条照会の活用例はもう少し欲しかったか な。

F 手続は細かく書いてあるものの、いくつかの手 続、たとえば情報公開請求などは、それによって何 を獲得するのかがイメージしづらいと思いました。

A とくに証拠採用させるところなど、理論的な根 拠が詳しくないので、検察官や裁判官と議論するに あたっては、たとえば石井一正『刑事実務証拠法〔第 5版〕』(判例タイムズ社、2011年)のような書籍も 参照する必要は出てきますよね。  あと、付録にあった防犯カメラや携帯のところは もう少し踏み込んで書いてもらえるとうれしかったか な。防犯カメラは誰が管理しているかとか。そこに あったとしても映像をどうやって手に入れるのかがわ からないですからね。

G 私は、公判前の類型証拠開示請求が、良い例・ 悪い例を挙げながらここまで細かく書いてある本は 見たことがないので、相談できる先輩弁護士が少な い地方の弁護士にとってはすごくいいと思いました。

(2018年10月17日公開) 


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