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被害者と司法を考える会 少年法の改正問題で出版費用をクラウドファンディング


 18・19歳非行少年に対する措置を含む少年法などの見直しを検討してきた法制審議会は、2020年10月29日、少年法改正を上川陽子法務大臣に答申した(詳しい経過などについては、須納瀬学「少年法適用年齢に関する法制審答申の批判的検討」季刊刑事弁護105号164頁を参照)。これを受けて、2021年の通常国会に少年法改正案が提出される予定である。

 少年法「改正」に強く反対してきた被害者と司法を考える会(代表:片山徒有)は、少年法の改正・厳罰化に一石を投じようと、4月に単行本『18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか』を出版する予定である。現在、クラウドファンディングで、その出版費用の支援を求めている。目標金額は200万円、支援募集は3月19日(金)午後11時までである。詳しくは、https://readyfor.jp/projects/shounenhou で見ることができる。

 現在、家裁は捜査機関から送致されてきた少年に対する処分を決めるにあたって、少年の資質、生育歴、生活環境などを調査し、非行の動機、再非行の危険性を解明し、処分を決める。その仕事を担っているのが家裁調査官である。家裁で保護処分の決定がなされた少年は、刑務所ではなく少年院に収容される。そこでは、少年一人ひとりの資質、生育歴、生活環境など特性に応じ、きめ細かい生活指導や教育が行われ、社会復帰への丁寧な支援がなされている。それを主に担うのが法務教官である。

 その教育内容については、少年院で篤志面接員に従事していた毛利甚八氏が、その著書『少年院のかたち』で、法務教官のインタビューなどをまじえて紹介している。

 今度の改正では、以下のように18・19歳非行少年に対する処遇は大きく変更される可能性がある。

○18・19歳の犯罪について、現行法は逆送(家庭裁判所から検察官に送り返すこと)の対象を殺人罪など故意に人を死亡させた場合に限っていたが、罰則が1年以上の懲役または禁錮にあたる罪に広げ、強盗罪や強制性交罪などが加わる。起訴され刑事裁判で有罪になった場合は、18・19歳少年に対する処遇は現行の少年院ではなく、成人と同じように刑務所でおこなわれる。

○少年の将来の社会復帰を妨げないようにその氏名や顔写真などの報道を禁じる規定(推知報道禁止)を見直し、18・19歳少年は起訴(略式を除く)された段階で解禁される。インターネット時代においては、一度氏名など個人特定情報が報道されれば、それを消去するのはほぼ不可能である。

 被害者と司法を考える会は、2007年に被害当事者、弁護士、学者が集まって、犯罪被害者問題では最大の課題である刑事裁判への関与に関する改革へ向けて、充分な議論と慎重な判断を経て、しっかりした支援制度を確立し、裁判員制度の安定したもとで安心して被害者の声、市民の声をしっかりと聞く丁寧な立法を目指して、創立された。

 これまでに、被害者をめぐる法改正について、被害者参加人制度や公訴時効の廃止について意見を述べるなど、さまざまな活動をしてきたが、現在、青少年の犯罪に対する罰則が厳罰化される「少年法改正」について議論し、意見を述べる活動をしている。

(2021年02月04日公開) 


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