イノセンス・プロジェクト・ジャパンがクラウドファンディングを開始


クラウドファンディングを知らせるチラシの表面

 10月3日より、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ。えん罪救済センターから名称を変更)がクラウドファンディングを開始した。これは、IPJの法人化に向けた事務所立ち上げ、基盤作り(家賃、人件費)、広報費用、事件支援のための費用の一部を賄うためとされている。

 クラウドファンディング開始後から約4時間ほどで、第1目標金額200万円を達成し、現在第2目標の500万円の達成を目指している。クラウドファンディングの期間は、10月31日までで、同サイトの「新着情報」からえん罪や弁護活動に関する様々な情報発信をしている。

  IPJは、1990年代にアメリカではじまった「イノセンス・プロジェクト」の活動を参考にして、司法実務家、法学者、心理学者、情報科学者、一般市民などの有志により2016年4月1日に、京都で設立された。

 その目的は、刑事事件の「えん罪」の被害者を支援し救済すること、そして、えん罪事件の再検証を通じて公正・公平な司法を実現することにある。現在、代表を立命館大学教授の稲葉光行氏、副代表を甲南大学教授の笹倉香奈氏が務める。

 笹倉副代表は、クラウドファンディングの手応えをつぎのように語る。

「開始前は不安もありましたが、1週間で200人以上の方にご支援いただきました。これほど多くの方がえん罪事件の救済に関心を寄せ、我々の活動に賛同くださっていることが心強いです。法人化のための資金を集めるという目的はもちろんありますが、それ以上に、支援者の皆様が寄せてくださる応援のコメントに一同とても励まされています。えん罪を支援する取組みが社会に求められていることも実感しました。多分野の専門家の力を結集して、えん罪を訴える事件を支援してえん罪原因を追究し、司法と社会をよりよくする原動力となる必要があることを痛切に感じています。」

 日本でも個々のえん罪事件で支援活動する団体は多数あるが、日弁連の再審事件支援や国民救援会を除いて、えん罪支援に関して弁護活動を含めて総合的に取組む民間団体としては、IPJがはじめてである。

(2022年10月12日公開)


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