3月7日、シンポジウム「映画『正義の行方』を観て、死刑制度を考える日」を大阪弁護士会が開催 


 

 免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件、そして袴田事件と、戦後日本で死刑台からの生還を果たした者は5人いる。その一方で、無実にもかかわらず死刑が執行されてしまった疑いが強い事件もある。その代表的な例が「飯塚事件」 である。

 飯塚事件は、1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された事件で、1994年に久間三千年さん(当時54歳)が逮捕された。久間さんの血液型やDNA型が、被害者の膣内に遺留された血液のものと一致したという根拠からである。久間さんは一貫して無実を主張するも、2006年に死刑判決が確定した。

 しかし、飯塚事件で使用されたDNA型鑑定は、後にDNA型再鑑定により無罪が確定した足利事件と同じMCT118型であり、その信用性には大いに問題がある。2008年、足利事件でDNA再鑑定が行われることが広く報道された約10日後、死刑確定から2年という異例の早さで、久間さんの死刑は執行された。

 ほかにも、目撃証言についても大いに疑問がある。事件現場付近で久間さんの車とすれ違ったという証言は、車の特徴について認識するのが科学的に不可能なほど詳細であり、捜査機関が久間さんの車を下見に行った上で誘導した疑いが強い。

 また、第2次再審請求段階において、久間さんとはまったく別の男性が女児二人を車の後部座席に乗せていたのを見たという証言が新たに出てきた。さらに、女児二人を最後に見たとされていた目撃者が、その証言は捜査機関の誘導によるもので、実際は別の日だったと供述を翻した。弁護団はこの二つの証言を新証拠として提出している。

 現在は久間さんの妻が再審請求人となり、2009年に第1次再審請求を申し立てたが、2021年に最高裁が棄却した。同年、第2次再審請求を申し立てたが、2024年6月5日、福岡地裁が棄却し、福岡高裁での再審開始の可否の判断が2月16日に下される( 第1次再審請求までの流れについては、『死刑執行された冤罪・飯塚事件』を参照)。

 映画『正義の行方』は、飯塚事件を題材にしたドキュメンタリー映画である。弁護士、警察官、新聞記者というさまざまな立場の当事者たちが語る真実を取り上げ、事件の真相に迫るとともに、「正義」とは何かを問いかける。

 大阪弁護士会は、『正義の行方』を観た上で、飯塚事件弁護団共同代表の徳田靖之弁護士の講演を聴き、死刑制度の是非について改めて考えるシンポジウムを開催する。

◯テーマ:シンポジウム「映画『正義の行方』を観て、死刑制度を考える日」

◯日時:2026年3月7日(土)12:30~16:30(開場12:00)

◯会場:大阪弁護士会館2階201・202会議室

◯参加費:無料、事前申込制

◯申込み:締切3月2日(月)、定員200名、こちらのフォームから。

◯プログラム:
・映画上映会………『正義の行方』
・講演会………徳田靖之(弁護士)

◯主催:大阪弁護士会

◯共催:日本弁護士連合会

○問い合わせ:大阪弁護士会 人権課
 TEL 06-6364-1227

(2026年02月14日公開)


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